昨日のんだ人は変わった人だった。「趣味は何ですか?」と尋ねたら「おちんちんがイクこと」だそうだ。アイスが喰いたいと言ったので、二人で帰りにコンビニに寄った。ガリガリさんを手にとると、レジに並んでいる間、封を開けて口にくわえてしまった。店員には袋を差し出していた。さらにその袋は捨てておくように指示していた。駅までトボトボ二人して歩いていると、横断歩道がアカだった。車はきていない様子。かなり破天荒な人そうなので、信号無視するかと思いきや、きちんと立ち止まった。
横断歩道の向こう側になんでこんな夜遅くに?って感じの老婆がいた。老婆は、左右を見て車が来ていないのを確認すると、ヨチヨチ信号無視して横断歩道を渡り始めた。僕の横の人は、それを充血した目でじっと見ていた。何か怒っているようで、まずいことが起きなければいいなと思った。
老婆が横断歩道を渡りきろうとする瞬間、その人はたたたと駆けていって、老婆の前に立ちはだかると「信号無視してこちら側に渡るのは許さん」と言って老婆を横断歩道に押し戻した。老婆はびっくりしながらも強引にこちら側に入ってこようとする。ババア特有の強引さが出て大変不愉快。その人はもう一度強く老婆を横断歩道に押し戻した。何度かこのような深夜の悶着が続き、やがて老婆は諦めたようにまた信号無視して向こう側へ戻っていった。老婆がヨチヨチ歩くので、横断歩道を渡り切る前に、信号が変わって青になった。だが老婆が青信号に気付いたのは、向こう側に戻りきった時だった。
「信号無視するなんてズルい。いい気味だ」というようなことをその人は言った。
ともかく変わった人だった。